M205
SEM-EBSD、EDS同時測定による同一結晶系材料の相分離
電子後方散乱回折(EBSD:Electron BackScattered Diffraction Pattern)法は、試料の結晶系情報(結晶の対称性など)を基に、EBSDパターン(電子回折パターン)から試料表面の結晶方位分布を解析する手法であり、材料のミクロ組織を評価する方法として幅広く利用されています。一方で、EBSD法は解析原理上、同一結晶系を格子定数で分離することは困難であるという問題があります。今回、EBSDパターンとEDS(Energy Dispersive X-ray Spectroscopy)スペクトルを同時取得し、ピクセル毎の組成情報を基に結晶構造を同定することで、同一結晶系材料の相分離が可能となりました。
以下に、Cu/樹脂/Ptでの実施例を示します。
Cu(cubic:Fm-3m、a=3.615Å)とPt(cubic:Fm-3m、a=3.924Å)は同一の結晶系であるためEBSD法で相分離することは困難ですが、EDSの情報を用いることにより相分離することが可能となりました。Cu、Ptそれぞれの逆極点図方位マップが得られています。
図1:(a)断面SEM像(反射電子像)、(b)断面EDSマップ (下記EBSDとは別途測定)
図2:EBSD測定結果
(a)逆極点図方位マップおよびカラーキー(解析対象:Cu)
(b)逆極点図方位マップおよびカラーキー(解析対象:Pt)