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イオンクロマトグラフによる高純度アンモニア水中の微量イオン成分の定量分析
高純度試薬中の不純物分析では、ng/g(ppb)レベルの低濃度域の定量が求められます。しかし、イオンクロマトグラフ法(IC)により低濃度域を測定しようとすると、高純度試薬自身がマトリックスとなり、測定に影響を与えてしまいます。そのため、ng/gレベルのイオン成分の分析においては、前処理でマトリックスを除去し、測定することが必要です。
今回、アンモニア水中のng/gレベルのイオン成分の分析方法を検討しました。前処理でアンモニアを除去し測定した結果、ハロゲン類や硫酸イオン、リン酸イオンなどの分析が可能になりました。分析フローを図に、本法と従来法(アンモニアを除去せず希釈のみ)による分析結果の比較を表に示します。標準液の添加回収実験から良好な回収率が得られました。
このように、当社ではICを使った高純度薬品中の微量元素分析への対応が可能です。また、他の薬品など種々の分析法の検討を行っていますので、ぜひ、皆様のご利用とお問い合わせをお願いいたします。
図:フロー図
イオン種 | 定量値 (ng/g) |
定量下限値 (ng/g) |
回収率 (%) |
従来法の定量値 (ng/g) |
---|---|---|---|---|
F- | <1 | 1 | 95 | <2000 |
Cl- | 30 | 10 | 104 | <2000 |
Br- | 6 | 5 | 91 | <5000 |
SO42- | <20 | 20 | 83 | <5000 |
PO43- | <2 | 2 | 94 | <20000 |
NO2- | 110 | 5 | 95 | <5000 |
NO3- | 150 | 2 | 103 | <5000 |
表:分析結果