I381
イオンクロマトグラフ(IC)・イオンクロマトグラフ-質量分析計(IC-MS)による無機陽イオンの定量下限と定量性
イオンクロマトグラフ(IC:電気伝導度検出器)は定量性が良い半面、マトリックス成分に近接した成分の分析が難しくなる場合があります。イオンクロマトグラフ-質量分析計(IC-MS)は質量での検出が可能なため、高マトリックス中の微量成分の定性、定量分析に力を発揮しますが、定量性はICに劣ります。ここでは、両者の基礎データとして無機陽イオン混合標準液を用い、ICとIC-MSの比較を行いました。定量下限に加えて、繰り返し再現性、直線性について紹介します。
表1:定量下限値 *1
イオン成分名 | IC | IC-MS |
---|---|---|
Li+ | 1 | 1 |
Na+ | 2 | 5 |
NH4+ | 2 | 5 |
K+ | 5 | 1 |
Mg2+ | 2 | 1 |
Ca2+ | 2 | 6 |
*1 クロマトグラムのS/N=10として求めた値
表2:繰り返し再現性 *2
イオン成分名 | IC | IC-MS |
---|---|---|
Li+ | 0.10 | 2.5 |
Na+ | 0.24 | 2.1 |
NH4+ | 1.1 | 2.3 |
K+ | 1.3 | 1.3 |
Mg2+ | 1.1 | 1.6 |
Ca2+ | 0.27 | 2.5 |
*2 0.1μg/mL標準液を連続10回測定した場合の相対標準偏差
表3:検量線の直線性 *3
イオン成分名 | IC | IC-MS |
---|---|---|
Li+ | 1.0000 | 0.9997 |
Na+ | 0.9999 | 0.9999 |
NH4+ | 0.9999 | 0.9992 |
K+ | 0.9999 | 0.9995 |
Mg2+ | 1.0000 | 0.9997 |
Ca2+ | 0.9999 | 0.9995 |
*3 決定係数R2:0.01μg/mL〜1μg/mL標準溶液(濃度10水準)