HOME > 分析対象 > 材料 > 金属・無機材料
I379

ICP-MS/MSによる超純水中の硫黄の高感度分析

溶液中の硫黄を誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS法)で測定する場合、分析イオンであるS+m/z=32)と質量数が等しい多原子イオンであるO2+m/z=32)のスペクトル干渉によりバックグランドが高く、測定が困難でした。今回、タンデム型質量分析計(Agilent 8800型)を用いたマスシフト法により超純水中の硫黄の高感度分析が出来るようになりましたので紹介します。

反応ガス種に酸素ガスを用い、S+をSO+m/z=48)として検出することで、バックグランドを低減し、測定することが可能になりました。

以下に硫黄の検量線とBEC値(バックグランド相当濃度)、定量下限値(10σ)を示しました。超純水中の硫黄を数ppbレベルで定量できることが分かりました。

図:マスシフト法による硫黄の検量線

図:マスシフト法による硫黄の検量線

表:マスシフト法による硫黄のBEC値と定量下限値

(単位:ppb)
元素 硫黄
BEC値 0.9
定量下限値(試料・超純水) 1.3

応用事例

  • 半導体洗浄水中の硫黄の定量
  • 半導体容器の内面汚染の評価

前のページに戻るこのページのトップへ