HOME > 分析対象 > 材料 > 金属・無機材料
I350

試料の溶液化(溶融分解)

無機元素分析において、溶融分解は湿式分解やマイクロウェーブ分解で分解困難な試料を分解する方法です。白金、ジルコニウム等製のるつぼを使い、試料と溶融試薬(炭酸ナトリウム、ホウ酸等)を高温で加熱し溶融状態として、化学反応により試料中の成分を溶解しやすい形に変える操作です。写真に分解操作の一例を示しました。また、表に特徴を示しました。

図:溶融分解操作

図:溶融分解操作

表:溶融分解の特徴
特長
  • 弊社の経験を活かし、分析対象の材料に合わせて種々の融剤を使用して分解処理が可能。
  • 他の分解方法で分解が難しい炭化ケイ素、窒化ケイ素などの完全分解ができる。
  • 岩石などの試料の分解にも応用ができる。
  • 他の難分解性試料の分解方法より比較的短時間(〜1時間)で分解ができる
制約
  • 試料の量の約10倍量以上の融剤を使用するため、ICP-AESやICP-MS測定時に融剤の成分(Na、K、B等)
    の影響を受けやすい。
  • Hgなど揮散性が高い元素の分析に向かない場合がある。
  • 有機物や、多量のサンプルの溶融にむかない(最高約0.1gまで)
  • 分解中の様子が確認しにくく、反応の完結の判断に経験と熟練を要する。
適した試料 難分解性セラミックス(SiC、窒化ケイ素、岩石等)
適さない試料 有機化合物・ポリマーなど

前のページに戻るこのページのトップへ