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I344

試料の溶液化(マイクロウェーブ分解)

ICP-AESやICP-MSで試料中の元素を分析する場合、あらかじめ酸やアルカリで分解し溶液化する必要があります。マイクロウェーブ分解は、密閉容器に入れた試料と分解用の酸混合物にマイクロ波を照射することで分解を促進することが可能な方法です。図に分解操作の一例を示しました。また、表に特徴を示しました。

図:マイクロウェーブ分解装置と操作の流れ

図:マイクロウェーブ分解装置と操作の流れ

表:マイクロウェーブ分解の特徴
利点
  • 密閉容器内で高温(最大約230℃)・高圧(〜6MPa)処理が可能で、開放系湿式分解で溶解できない
    試料の分解が可能。
  • 密閉系での分解になるので、B,Si,P,As,Hgなどの揮散性元素の揮散が抑制できる。
  • 有機化合物の分解も可能である。
短所
  • 専用の密閉容器内で分解するため、分解中の様子が確認できない。
  • 分解時間を長くできない(最大約1時間)ため、一部のセラミックス試料が分解できない場合がある。
  • 有機化合物の分解では、分解ガスの発生による圧力増加・暴発危険のためサンプル量を多くできない
    (〜0.1g程度まで)。
  • 固体試料の場合、試料中の元素の偏在の影響を受けることがあり、サンプリングや分析n数に注意が必要。
適した試料 有機化合物・ポリマー、医薬・食品など
適さない試料 難分解性セラミックス(SiC等)

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