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I343

試料の溶液化(加圧酸分解)

ICP-AESやICP-MSで試料中の元素を分析する場合、あらかじめ酸やアルカリで分解し溶液化する必要があります。加圧酸分解は、酸分解や湿式分解で溶解できないセラミックス試料等の分解に有効な方法です。図に炭化ケイ素(SiC)分解操作の一例を示しました。また、表に加圧酸分解の特徴を示しました。

図:SiCの加圧酸分解方法

図:SiCの加圧酸分解方法

表:加圧酸分解の特徴
利点
  • 密閉容器内で高温(最大約230℃)・高圧(約3MPa)処理が可能で、開放系湿式分解で溶解できないアルミナ、
    ジルコニアなども分解できる。
  • 開放系湿式分解で揮散する元素(Si,Pなど)の前処理としても有効である。
短所
  • SUS製の容器内で密閉して分解するため、分解中の様子が確認できない。
  • 分解時間が長い(約8時間〜)。
  • 有機化合物の分解は、爆発の危険があり適用できない(多量の分解ガスが発生するため)。
適した試料 金属酸化物・窒化物・炭化物等のセラミックスで、アルミナ、炭化ケイ素、窒化ホウ素、窒化ケイ素など。
適さない試料 有機化合物

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