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HR-ICP-MSによるけい素の同位体分析
ICP-MSを用いた溶液中元素の同位体比測定は、主にマルチコレクタータイプの質量分析計が用いられますが、今回、シングルコレクタータイプのHR-ICP-MS(サーモフィッシャーサイエンティフィック製ELEMENT XR型、中分解能測定)を用いてSi(質量電荷比28,29,30)の同位体比分析を行いましたので紹介します。
けい素標準溶液(関東化学製原子吸光分析用とSPEX製混合標準溶液XSTC-8を希釈)を測定し、天然同位体比と比較しました。以下にHR-ICP-MS法によるけい素の同位体比分析の結果を表に示します。
表1:けい素の同位体比の測定結果 | (単位:atomic %) | ||
測定質量電荷比 | 28Si | 29Si | 30Si |
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天然同位体比 | 92.223 | 4.687 | 3.092 |
関東化学製標準溶液 | 92.1±0.03 | 4.75±0.02 | 3.19±0.01 |
SPEX製標準溶液 | 92.0±0.05 | 4.79±0.04 | 3.22±0.02 |
HR-ICP-MSの結果より、2種の標準溶液は、ともに天然同位体比とほぼ一致しており、本法は簡易的な同位体比測定に有用な手段であると考えられます。