I145
酸化チタン中の有害金属元素(Cd、Pb)の分析
−セラミックス中の微量特定有害金属の分析(1)−
WEEE/RoHS指令、ELV指令により、電子機器や自動車部品に対して、Cd、Pb、6価Cr、Hgの使用が規制されています。セラミックスなどの難分解性物質を含む試料中のCd、Pbの分析では、次のような問題があります。
- 分解、溶液化が困難である。
- 測定時に、マトリックス成分による干渉がある。
そこで、難分解性試料中のCd、Pbの分析を可能にするために、試料分解法とマトリックス除去法の検討を行いました。ここでは、マイクロウェーブ分解装置による試料の分解と溶媒抽出法によるマトリックス除去を組み合わせた酸化チタン中の微量Cd、Pbの分析を紹介します。
図1:酸化チタン中のCd、Pbの分析フロー
元素 | 添加量* (μg) |
回収率* (%) |
分析値 (μg/g) |
定量下限値 (μg/g) |
---|---|---|---|---|
Cd | 5.0 | 99 | <1 | 1 |
Pb | 5.0 | 98 | <5 | 5 |
* 試料に標準液を添加して回収実験を実施(n=3の平均値)