C005
FD-MS による多分散系有機化合物の平均分子量の算出
Field Desorption(FD)法は、高電界中にある試料から固体表面への電子のトンネル効果により試料をイオン化する方法です。この方法は、フラグメンテーションが起こりにくく、分子イオンの情報のみを与えるソフトなイオン化法です。このFD法を用いた質量分析(MS)によって、 分子量が100〜2000程度の種々の分子量を持つ分子からなる多分散系有機化合物の平均分子量を求めることができます。パラフィンについて、数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)を算出した例を以下に示します。
図1:パラフィンのFD-MSスペクトル
FD-MS条件
装置 | 日本電子製 JMS-T100GCV型 |
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測定条件 | カソード電圧 : -10 kV |
エミッタ電流 | 0 mA→51.2 mA/min→35 mA |
測定質量範囲 | m/z 10 〜 2000 |
試料条件 | 揮発性溶媒に溶けること |
計算式
Mn = ∑[(質量電化比)×(高さ)]/∑(高さ) = 481
Mw = ∑[(質量電化比)2×(高さ)]/∑[(質量電化比)×(高さ)] = 488