SE156
MTT法による細胞毒性試験について
本試験方法は、MTTと呼ばれる試薬が生細胞の代謝によって紫色のホルマザン色素へ還元される原理を用いた細胞毒性試験です*1。本試験方法は、国際規格であるISO10993-5のAnnex Cに記載されています*2。MTT法はその測定の簡便さから、細胞増殖能や細胞毒性の評価に広く用いられています。本試験方法の概要を図に示しました。また、弊社での実施例として、対照材料の各濃度での結果を表に示しました。未処理対照に比べて細胞生存率が70%未満の場合に細胞毒性有りと判定されますが、表の結果では、各陽性対照材料で細胞毒性が濃度依存的に認められました。
弊社では、本試験方法においてGLP対応試験が可能です。また、規格に準拠した試験だけでなく、お客様の研究手法に合わせた評価にも柔軟に対応いたします。まずは、ご相談ください。
図:MTT法による細胞毒性試験の試験手順概要
OD570-650値(OD各処理群-ODブランク)の平均値 | 細胞生存率(%) | |||||||
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試験溶液濃度 | 試験溶液濃度 | |||||||
100% | 50% | 30% | 10% | 100% | 50% | 30% | 10% | |
未処理対照 | 1.112 | - | - | - | - | - | - | - |
陽性対照材料A | 0.004 | 0.371 | 1.001 | 0.968 | 0.3 | 33.4 | 91.0 | 87.0 |
陽性対照材料B | 0.003 | 0.923 | 0.940 | 1.079 | 0.2 | 83.0 | 84.6 | 97.1 |
陰性対照材料C | 1.163 | - | - | - | 104.6 | - | - | - |
赤字箇所:細胞毒性有り(細胞生存率(%)が70%未満)
*1 MTT:3-(4,5-dimethylthiazol-2-yl)-2,5-diphenyltetrazolium bromide
*2 ISO10993-5 “Biological evaluation of medical devices Part 5: Tests for in vitro cytotoxicity”