医療機器の遺伝毒性試験における試験試料の調製
弊社では医療機器の遺伝毒性試験として復帰突然変異試験、培養細胞を用いる染色体異常試験、in vitro 小核試験及びマウスリンフォーマTK試験を実施しています。ここではその試験試料の調製方法について紹介します。
(1)水に溶解もしくは懸濁できるもの
水に溶解又は懸濁して試験液とし、試験を実施します。
(2)水に溶解又は懸濁できないが、有機溶媒により抽出物が得られるもの
メタノール又はアセトンで抽出物が得られる場合は、抽出率の高い方のいずれかの溶媒を用い、細切した試料に、その10倍量の溶媒を加え、室温で撹拌して24時間抽出します。そして抽出した溶媒を濃縮して試験に必要な量の抽出物を得ます。なお、ここでの抽出物が得られる場合とは、抽出物の量が試料の重量の0.5%以上(医療機器の重量が0.5g以上の場合)又は試料の1.0%以上(医療機器の重量が0.5g未満の場合)となります。
* この場合、試験試料として最終的に1〜2gが得られるよう抽出を行ないますので、元の試料としては100〜400gが必要となります。
(3)メタノール又はアセトンでも抽出物が得られない場合
復帰突然変異試験ではDMSO抽出液を、染色体異常試験、小核試験及びマウスリンフォーマTK試験では培地抽出液を用いて試験を行います。具体的には、
a.復帰突然変異試験
試験試料を細切し、その0.2gに対してDMSO1mL(あるいは試験試料6cm2に対してDMSO1mL)の割合で添加し、37℃で振とうしながら48時間抽出し、その抽出液を試験液として、プレート当たり最高100μLを添加して試験を実施します。
b.染色体異常試験、in vitro小核試験又はマウスリンフォーマTK試験
試験試料を細切し、その0.2gに対して試験に用いる血清含有培養液1mL(あるいは試験試料6cm2に対して培養液1mL)の割合で添加し、37℃で48時間抽出し、その抽出液を100%試験液として、試験を実施します。
* 水や有機溶媒への溶解性(抽出割合)等が不明な場合、弊社にて予備検討から実施いたしますので、試験を含めてお任せ下さい。