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SE086

Ames試験におけるアミノ酸の影響

Ames試験は、特定のアミノ酸をコードする遺伝子が変異した菌株を使用します。そのため、被験物質中に特定のアミノ酸が一定量以上含まれていると菌株の増殖に影響を与えることが知られています。影響を与えるアミノ酸としては、サルモネラ菌株TA98、TA100、TA1535、TA1537 は、ヒスチジン(His)、大腸菌株WP2uvrAは、トリプトファン(Trp)です。どのような影響が見られるか実際にアミノ酸を添加して検討を行ないました。

(A)TA100(-S9) (B)TA100(+S9)
(C)TA1535(-S9) (D)C.G.(confluent growth)、not C.G.

被験物質中にHisが存在した場合、濃度依存的にコロニー数の増加が見られます。(A)  
このコロニー数の増加は、代謝活性化の有無(±S9)には、影響を受けません。 (AとB)  
またHisの場合は4種の菌株いずれも同様の影響を受けます。(例:TA1535) (C) 
被験物質中のHis濃度が10mMを越えると、膜状の増殖菌層を形成してしまいます。これは、
C.G.(confluent growth)と呼ばれ、測定不能状態となります。(Dの左)

アミノ酸を含む可能性のある被験物質は、まず予備試験を行ない、上記のような影響が見られるかを検討します。その上でAmes試験を実施するか他の変異原性試験(染色体異常試験、umu試験)を実施するかの判断を行ないます。

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