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SE043

umu試験の受託再開について

umu試験の受託を再開いたしました。umu試験はサンプルがアミノ酸含有であったり、少量であったりする場合も適応可能であるほか、試験期間が1日で済むなど優れた特徴を有しており、Ames試験を補完する代表的な遺伝毒性試験として知られています。また、国内では上水試験法、海外ではISO 13829など水質評価を目的とする公定法にも採用され、世界中で利用されています。弊社ではマイクロプレートを用いた試験を実施しており、サンプル量は数ミリグラムから対応可能です。

原理

化学物質によるDNA損傷を受けると細胞分裂が停止したりDNAを修復したり様々な応答が起きます。これらをSOS反応と呼び、umuC遺伝子(umuはUV mutableの略称)の発現もその一つです。細菌にlacZ遺伝子を融合したumuC遺伝子を組み込み、umuC遺伝子の発現は、β-ガラクトシダーゼ活性の測定によって検出します。

使用菌株

開発者の小田美光博士から供与を受けたNM2009株を使用します。この菌株はネズミチフス菌TA1535/pSK1002にサルモネラ由来のアセチル転移酵素遺伝子を導入した菌株で、芳香族ニトロ化合物や芳香族アミンに対して高い感受性を有します。

実施例

食品添加用防腐剤としてかって日本で使われたことがあり、有名な変異原物質であるフリルフラマイド(通称AF2)の試験結果を図に示しました。
β-ガラクトシダーゼ活性である発色基質の吸光度が用量に依存して増加し、陰性対照に対して2倍以上に増加することが確認出来ました。

AF2の試験結果

参考文献

  • 1)Oda Y, Funasaka K, Kitano M, Nakama A, Yoshikura T, Use of a high-throughput umu-microplate test system for rapid detection of genotoxicity produced by mutagenic carcinogens and airborne particulate matter, Environ Mol Mutagen 43:10-19(2004)
  • 2)Oda, Y. Development and progress for three decades in umu test systems. Genes and Environment 38, 24(2016)
  • 3)上水試験方法2011年版 日本水道協会編
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