SE013
抗菌性試験方法
微生物は、様々なトラブル(着色、臭気、製品劣化等)を引起こすため、抗菌材料の有用性は古くから知られていましたが、近年の清潔志向の高まりに伴い、日常品の多くに抗菌加工製品が利用され、一般に広く認識されるようになりました。抗菌とは、製品の表面における細菌の増殖を抑制する状態を意味します。抗菌加工製品は、有機系抗菌剤や半永久的に使用できる光触媒など、多様なものが使用されており、その評価方法も様々に工夫されています。
弊社では抗菌性試験として主に下記の方法を実施しております。研究開発向けに、多様な試料の材質・形状などを考慮して、適用できる試験法の検討を行いますので、予備検討を含め、まずはお気軽にお尋ねください。
1. フィルム密着法(JIS Z2801参照)
試料上に菌液を接種し、ポリエチレンフィルムで覆って菌液を表面に広げ、一定時間培養後の菌濃度の変化を調べる方法です。
プラスチック、金属、セラミックスなどの疎水性で平滑な面を持つ材料に適用します。
2. ハローテスト(定性試験,JIS L1902参照)
寒天培地全面に菌を接種しその上に試料を載せ、培養します。培養後の試料周囲にハロー(発育阻止帯、細菌の発育がない部分)の有無から、定性的に抗菌性を調べる方法です。
織物や不織布などの繊維製品に適用します。
3. MIC測定
試料を加えた培地に菌を接種し、菌の発育を阻止する最小濃度(MIC)を調べる方法です。寒天平板希釈法もしくは微量液体希釈法で測定します。
有機系・無機系・天然系の抗菌剤に適用します。