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高感度EDSによるLiB用負極内のバインダー・分散剤の分布評価
LiB用負極内のスチレン・ブタジエンゴム(SBR)系バインダーは、活物質や導電助剤および集電箔を結着させる目的で用いられ、カルボキシメチルセルロース(CMC)は、活物質を溶媒へ均一に分散させる機能があり、それぞれの電極内での状態を把握することが重要であるため、可視化による分布評価が求められています。
SBRはOsにて、CMCはRuにて染色されることが知られており、高感度EDSと組み合わせることで各成分の可視化を試みました。
図1:表面SEM像(二次電子像) |
図2:合成像1(SEM像, Os, C) |
図3:合成像2(SEM像, Ru, C) |
図4:合成像3(SEM像, Ru, Os, C) |
図1に模擬電極表面のSEM像を示します。SEM像ではバインダーや分散剤の分布は確認できません。一方、Os、CのEDS元素マッピングとSEM像の合成像1ではSBRの分布が黄色で(図2)、Ru、CのEDS元素マッピングとSEM像の合成像2ではCMCの分布が赤色で(図3)示されます。さらに、これらを合成した合成像3では両成分の分布様相が可視化されています(図4)。この合成像より、SBRは活物質表面の一部に局在し、CMCは活物質の表面全体に分布している傾向を判別できることがわかります。
以上のように、染色法と組み合わせてEDS元素マッピングを行うことで、電極内のバインダー・分散剤成分を可視化し、分布を評価することが可能です。