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S421

雰囲気遮断ホルダーを用いたSEM観察

大気中の成分(酸素、二酸化炭素、水分など)と反応しやすい材料のSEM観察およびEDS分析では、雰囲気制御されたグローブボックス中で試料調整を行い、大気から遮断された状態を保ったまま、高真空のSEM装置内に導入することが必要になります。中でもリチウムイオン電池に用いられるリチウム金属は二酸化炭素や水分と反応しやすく、大気中に短時間放置するだけで表面状態が大きく変化します。ここでは、FE-SEM(日立S4800)にオプションとして導入された雰囲気遮断ホルダーシステム(図1参照)を用いて、試料を装置内へ導入した後、SEM観察を行った結果を紹介いたします。

図1:雰囲気遮断ホルダー (A)大気遮断状態、(B)開放状態

図1:雰囲気遮断ホルダー (A)大気遮断状態、(B)開放状態

観察試料はリチウム金属で、露点:−60℃以下のアルゴン雰囲気に保たれたグローブボックス中で試料断面を作製した後、雰囲気遮断ホルダーを用いてSEM装置内に導入し、観察を行いました。その結果を図2(A) に示します。比較的平滑な面が観察されていることが分かります。次に、同じ試料を大気に1分間暴露した後の表面観察結果を図2(B) に示します。リチウム金属は大気に対する活性が非常に高いため、短時間で大きな表面形状の変化が起きていますが、雰囲気遮断ホルダーを用いることにより、大気の影響を受けずに観察できていることが分かります。

図2:リチウム金属表面のSEM観察 (A)大気遮断状態、(B)大気暴露(1分)後

図2:リチウム金属表面のSEM観察 (A)大気遮断状態、(B)大気暴露(1分)後

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