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S410

画像解析による粒界層の解析

結晶粒界に機能を付加した材料では、粒界の厚みや分布を解析することが重要になります。例えばハードディスクドライブの記録層の一部で磁性粒子の周囲に非磁性の粒界層が存在するように制御されており、粒界の厚みや分布が特性に大きく影響します。

写真:平面TEM写真 試料:CoCrPt-SiO2系垂直磁気録媒体(東北大学齊藤先生ご提供)

図1:平面TEM写真
試料:CoCrPt-SiO2系垂直磁気録媒体
(東北大学齊藤先生ご提供)

図1にハードディスクドライブ記録層の平面TEM写真を示します。磁性粒子間に存在する粒界層が明るく観察されています。まず、各磁性粒子を画像として認識させ、その面積から粒子径の円相当径分布を求めました(図2)。円相当径が4〜16nmの分布を示し、平均粒子径が9.2nmということが分かります。次に、磁性粒子の周囲に存在する隣接粒子を決定し、その数を求めました(図3)。隣接する磁性粒子の重心間の距離を併せて求めたところ、平均11.9nmとなりました(図4)。ここで、粒界層の厚みを隣接磁性粒子の重心間を結ぶ直線が粒界層を横切る距離と定義しました。このようにして求めた粒界層の厚み(図5)は平均2.3nmと求められました。

図2:粒子径分布

図3:近接粒子数分布

図4:近接粒子間距離分布

図5:粒界層厚み分布

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