HOME > 分析対象 > エレクトロニクス > 半導体
S345

単層カーボンナノチューブの長さ分布に及ぼす界面活性剤濃度の効果

単層カーボンナノチューブ(SWCNT、Purified、CNI社製)を、界面活性剤としてコール酸ナトリウムを用いて水中に超音波分散し、その液をマイカ劈開面上に少量滴下して乾燥させ、その表面を原子間力顕微鏡(AFM)で観察した結果を図1に示した。

図1:コール酸ナトリウム水溶液[(a)10mg/mLおよび (b)40mg/mL]を用いてマイカ上に分散したSWCNTのAFM観察結果

図1:コール酸ナトリウム水溶液[(a)10mg/mLおよび (b)40mg/mL]を用いてマイカ上に分散したSWCNTのAFM観察結果

図1のように、コール酸ナトリウム濃度を10または40mg/mLとした時に、いずれも各チューブは良く分散されている。両者を比較すると、コール酸ナトリウム濃度が40 mg/mLの時に、長いチューブが多く観察され、チューブの周囲にはコール酸ナトリウムが多く付着しているものと推察された。また、図1の結果をもとに長さ分布を求めた結果を図2に示した。図2のように、コール酸ナトリウム濃度が40mg/mLの時に、長さ1μm以上のチューブが多く観察され、超音波分散時のチューブ切断が抑制されたものと考えられる。

図2:コール酸ナトリウム水溶液濃度の違いによるCNT長さ分布の変化

図2:コール酸ナトリウム水溶液濃度の違いによるCNT長さ分布の変化

前のページに戻るこのページのトップへ