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S317

EELSによる状態分析

(S)TEMとEELSの組み合わせで、局所領域から電子状態に関する知見を得ることが可能です。内殻励起損失スペクトル領域では内殻電子を励起したコアロス電子がエッジ状に観察されます。エッジ近傍のスペクトル微細構造 (Energy-Loss Near Edge Structure: ELNES) を詳細に観察することにより、化学状態と電子構造に対応する情報が得られます。

Al-L2,3 , Si-L2,3 , N-K , O-K吸収端スペクトルを図(a)〜(d) にそれぞれ示します。図(a), 図(b)では、金属、窒化物、酸化物の順にエッジの位置が高エネルギー側にシフトしており、ケミカルシフトに対応すると考えられます。また、各スペクトルではエッジ形状が異なっており、励起された電子の遷移先軌道の部分状態密度が、電子構造の違いより変化していると考えられます。

図:(a) Al-L2,3 , (b) Si-L2,3 , (c) N-K, (d) O-K 吸収端スペクトル

図:(a) Al-L2,3 , (b) Si-L2,3 , (c) N-K, (d) O-K 吸収端スペクトル

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