S314
DVD-Rの断面観察
集束イオンビーム装置FB-2000A(日立製作所製)のマイクロサンプリング法を使い、市販DVD-Rの断面観察を行ないました。
DVD-Rの記録層には有機色素が使われています。記録は、強いレーザー光線で記録層の色素を分解し、記録マークを作ってデータを書き込みます。再生は、弱いレーザー光線を当てて反射の強弱によりデータを読み取ります。ディスク基板のランド部にデータの記録位置を示すピットが設けられ、グルーブ部にデータが記録されます。
下図は、DVD-Rの円周方向に垂直な断面と平行なグルーブ部の断面の暗視野STEM像、およびEDSマッピングの結果です。構造は、ディスク基板の下に記録層(有機色素)があり、その下に反射層があります。記録層からはS、Niと微量のSiが、反射層からはAgが検出されました。
図1:円周に垂直な断面の暗視野STEM像 | 図2:円周に平行な断面の暗視野STEM像 |
図3:円周垂直断面のEDSマッピング(ネットカウント) |