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1H-NMRによる無水マレイン酸変性ポリオレフィンの変性構造詳細解析
−微量酸モノマーの定量−
無水マレイン酸(MA)で変性したポリオレフィン(PO)、MA-g-PO、は改質POとして広範な材料に混合されています。MA-g-POの変性構造について、これまでNMR法に関しては13Cスペクトルによる報告がほとんどで、実用面で有利な1Hスペクトルについてはほとんど報告がありません。これは、一般に1Hスペクトルは13Cに比べ由来ピークがブロードで不明瞭なため詳細な構造情報が得難いと考えられていたからです。
しかし、弊社ではNMR分析のみならずIR分析等を用いて総合解析した結果、1Hスペクトルからでも変性構造の差異を帰属できることを見出しました。「無水マレイン酸変性ポリプロピレンの変性構造解析」では末端グラフト構造*1について紹介しましたが、本報では1Hスペクトルで判別可能な全4種のグラフト構造*2について以下に紹介いたします。
1H-NMR spectrum of monomeric grafts of MA-grafted polypropylene
1H-NMR spectrum of monomeric grafts of MA-grafted polyethylene |
1H-NMR spectrum of oligomeric grafts of MA-grafted polypropylene |
- *1 宮内康次、斉藤啓治 分析化学 55,8,547〜554(2006)
- *2 宮内康次、梅木雄里、斉藤啓治 第11回高分子分析討論会要旨集 p.151〜152(2006)