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成形品の流動解析
−複合材料中充填材の配向度の可視化−
成形品の不良には樹脂の流動不良などによるウエルドラインを形成することがあります。
ウエルドラインは充填樹脂の衝突によって樹脂が乱流を起こすことで発生します。又、金型の形状によっては充填不良を起こす場合があり、成形時の樹脂の流れを解析する必要があります。
成形品の樹脂流れ解析は成形品断面に特殊処理を行う事で光学顕微鏡観察できる場合がありますが、多くの成形品材料には充填材として、タルクやガラスファイバーなどが含まれており、この充填材の配向を走査型電子顕微鏡で観察することにより簡単に樹脂の流動状態を推察することが出来ます。
以下に走査型電子顕微鏡で充填材の観察を行い、充填材の配向方向を画像解析により色分けした例を示します。
写真は成形品内部にウエルドが発生した個所を観察しており、左右から充填された樹脂の流動状態がわかります。
図:フィラーの抽出画像