O387
固相抽出-熱抽出GC/MSによる特定農薬成分の高感度分析
固相抽出素子(Magic Chemisorber)は、チタン管の外壁に500μmまたは100μmのポリジメチルシロキサン(PDMS)を化学結合させたものです。これを測定試料(ガスや水溶液)中に浸漬して、放置または攪拌しながら目的成分を固相抽出し、熱抽出装置により抽出成分の熱脱着GC/MS分析を行います。
図1:装置模式図
例として、固相抽出素子による殺虫剤PyriproxyfenのGC/MS分析を示します。下図に、PyriproxyfenのGC-MS TICクロマトグラムを示しました。上段が100ppbの水溶液をそのまま注入した時(面積値 99,000)、下段が固相抽出素子を使用した場合(面積値 11,000,000)です。固相抽出素子を使用した場合、110倍濃縮されていることがわかります。
図2:PyriproxyfenのGC/MS TICクロマトグラム