O291
顕微IRマッピング法による材料表面の分析
顕微FT-IRマッピング法により材料の表面の分析が可能です。本法は顕微鏡オートステージ上に固定した材料表面を走査し任意の測定点のIR測定を行います。イメージング法では同時に32×32(=1,024)個の固定された各素子で赤外スペクトルを得るのに対し、マッピング法では測定点の数、測定面積、間隔を任意に設定することができます。そのため、広い面積での表面分析が可能ですが、走査しながらの測定ですので分析に時間を要します。
以下に印字されたコピー用紙表面の分析例を示します。
測定面積(1点) | 50μm×50μm |
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測定点数 | 22×33=726point(1.1mm×1.7mm) |
測定回数 | 16回 |
波数範囲 | 700cm-1〜4,000cm-1 |
総測定時間 | 約3時間 |
図1の○が測定点です。これを順次走査しながらIR測定を行います。走査する面積は任意ですが、1度にピーク抽出(2D、3D表示)できる範囲は□です。2-aはインク部分のIRスペクトルで、図2-bはコピー用紙の白い部分のIRスペクトルです。図3はインク部分に特徴的に認められた1,734cm-1のピークで抽出表示した結果です。
図1:試料CCD画像 | |
図3:IR分析画像 | 図2:ブランクおよびインク部分のIRスペクトル |