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LC-MS/MSによる微量成分の構造解析
最近では医薬開発における代謝物の構造解析、天然物の構造解析など、極微量の複雑な化合物の構造解析の需要が増加しています。
この場合、LC-MS/MS法が有効です。レセルピンを例として以下説明します。
LC-MS法では、通常分子イオン情報しか得られませんが(レセルピンの場合m/z 609:QM+)、LC-MS/MS法は、分子イオン関連ピークから直接開裂するピークを知ることができます。レセルピンの場合、m/z609からm/z 174および195が開裂することが分かります(図1)。これらの情報から、構造解析が行われます。m/z174、195の推定イオン構造を図2に示しました。
図1:レセルピンのLC-MS/MSスペクトル
図2:m/z174と195の推定イオン構造