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微量有機物の分析(3)
―クリーンルーム大気中の有機物とシリコンウエハ上汚染有機物との比較―
建築物を新築又は改装した場合、建材等からの揮散ガスで大気は汚染されています。大気の汚染はTCT-GC/MS法で、又環境中に放置したシリコンウエハは、TDS-GC/MS法で分析できます。
クリーンルームを改装した直後の大気を分析し、得られたGC/MSのTICクロマトグラムを図1に、その環境中に放置したシリコンウエハ上の汚染有機物を分析し、得られたGC/MSのTICクロマトグラムを図2に示しました。大気中に存在している置換ベンゼン等は必ずしも、シリコンウエハ表面を汚染していません。一方、ジブチルフタレイト(DBP)はウエハに付着しやすい物質であることが推定されます。このように、大気をTCT-GC/MS法で、シリコンウエハの汚染をTDS-GC/MS法で調べることにより、より多くの情報が得られます。
図1:クリーンルーム大気のGC/MSのTICクロマトグラム
図2:クリーンルーム大気中に放置したウエハのGC/MSのTICクロマトグラム