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SEM-EDSによる歯磨き粉の分析
歯磨き粉には基本成分として研磨剤、湿潤剤、発泡剤、粘結剤などが、薬用成分としてフッ化物などが含まれています。SEM-EDS分析を用いて、主に無機成分についてその分布を評価しました。
乾燥後の歯磨き粉のSEM像とEDSマップを図に示します。SEM像よりミクロンオーダーの粒状物が多く見られます。
EDSマップより、Oの分布はAlとSiを併せたものとなっており、シリカ(Si-O)やケイ酸アルミニウム(Si-Al-O)など研磨剤の分布と考えられます。Fのマップは薬用成分であるフッ化ナトリウムと考えられます。NaとClのマップはほとんどで一致しており、薬用成分の塩、塩化ナトリウムと考えられます。一部のNaは研磨作用がある炭酸水素ナトリウムや発泡剤のラウリル硫酸ナトリウムと考えられます。Sのマップは発泡剤であるラウリル硫酸ナトリウムと推察されます。Tiは着色剤として含まれている酸化チタンの可能性があります。
以上のように、SEM-EDS分析により、歯磨き粉の各種成分を分離して大きさや分布を確認することができます。
図:SEM像・EDSマップ