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SEM-EDSによる天然塩の分析
塩の味には、粒の大きさとにがりの量が影響すると言われています。粒の大きさは口の中での溶け方に影響し、にがり成分は種類によって味の特徴が異なるようです。今回、2種類の天然塩について、SEM-EDSにより味に影響する要素について分析を行いました。
塩AのSEM像を図1aに、EDSマップの合成像を図1bに示します。同様に、塩Bについて図2に示します。SEM像より、塩Aの粒は400μm程度、塩Bは100μm前後と大きさが異なることが分かります。
次に、にがりを構成するマグネシウム、カルシウム、カリウムの分布を評価します。EDSマップにおいて、塩の主成分である塩化ナトリウム(NaCl)は白としています。塩Aでは緑で示すマグネシウム(Mg)が比較的均一に分布しています。塩Bでは緑のMgと赤で示すカルシウム(Ca)が別々に局在している様子が分かります。青で示すカリウム(K)も一部に認められました。これらの成分は別元素のマップより、塩化物や硫化物として存在していると推察されます。
以上のように、SEM-EDS分析により、塩の味に影響する要素を見た目で評価することができます。
図1:(a)SEM像(b)EDSマップ
試料:塩A
図2:(a)SEM像(b)EDSマップ
試料:塩B