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イオンクロマトグラフ(IC)による酢酸イオンの分析
イオンクロマトグラフ法(IC)による酢酸の分析は、簡便な操作で迅速に高感度分析(定量下限値10ppb)が可能です。しかし、ICの分析条件(分離モード・分離条件)によっては、酢酸イオンのピークの保持時間付近に乳酸イオンやグリコール酸イオンなどのピークが近接して検出され分離が不十分となるため、分析が難しいイオンの一つです。今回、水溶液中の酢酸イオンの分析法の検討を行い、分離モードと検出法の特徴をまとめたので紹介します。
分離モード - 検出法 | 特徴 |
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1.イオン交換 - 電気伝導度検出器 | 高感度ですが、乳酸やグリコール酸イオンなどの影響を受け易いです。 |
2.イオン交換 - 質量分析計 | 高分離ですが、他成分のプロダクトイオンの影響を受ける場合があります。また、電気伝導度検出器より低感度です。 |
3.イオン排除 - 電気伝導度検出器 | 他成分の影響を受け難いですが、ノイズが大きく低感度です。 |
図:各種分析条件によるクロマトグラフの違い |