HOME > 分析対象 > ライフサイエンス > 医薬品・医療用具
I352

マイクロ波分解/ICP-MS法による医薬品中の白金族元素の分析

ICH-Q3Dガイドラインでは、医薬品製剤に含まれる元素不純物の品質管理を厳しく定められています。ICH-Q3D試験ではマイクロ波分解装置を用いて分解処理を行います。通常、有機物の分解試薬として酸化力の強い硝酸を用いますが、ICH-Q3Dガイドラインのクラス2Bには白金族元素(Au, Pd, Ir, Os, Rh, Ru, Pt)が含まれているため、硝酸による分解だけでは、このような元素の溶解が困難になります(添加回収率が低い)。したがって、分析項目に白金族元素がある場合には、硝酸に塩酸を少量添加して分解することで、試料の完全分解と添加回収率の向上が達成できました。図に分析フロー、表に分析結果と添加回収率の結果を示します。

図:製剤試料のICH-Q3D試験分析フロー
表:製剤試料中の白金族元素の分析値と添加回収率の結果
元素 クラス 製剤試料中金属濃度、µg/g 添加回収率、%
Ru 2B < 0.1 99
Rh 98
Pd 93
Os 87
Ir 97
Pt 95
Au 87
前のページに戻るこのページのトップへ