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I218

医薬品・サプリメント中の微量金属元素の分析
-ICP-AES、ICP-MS、ICによる微量元素(金属・非金属)分析-

健康食品やサプリメント中のµg/g〜ng/gレベルの微量金属元素濃度を調べるには高感度分析機器であるICP-MSやICP-AESなどが多用されます。今回は、医薬品・サプリメント中のカドミウム濃度を調べた例をご紹介します。

分析方法の概略を下図に示します。図に示した分析法が妥当であるか否かを検討する方法の一つとして、日本や米国の公的機関から配布されている標準試料を同様の分析方法で分析し、得られた定量値を標準試料の認証値と比較する方法があります。

図:分析方法:試料採取→硫酸、硝酸などの酸を加えて加熱して分解する→試料溶液→ICP-MS、ICP-AESなので定量分析を行う

図:分析方法の概略

表1は米国国立標準技術研究所(NIST)で配布されている標準試料(Standard Reference Material) 1515 (Apple Leaves)と1547 (Peach Leaves)を用いて比較検討した結果を示します。上記分析方法によるカドミウム定量値は、認証値とほぼ一致し、本法の妥当性が確認できました。

表1:カドミウム定量値の比較 (単位:µg/g)
標準物質 認証値 本法による定量値*1
NIST 1515 0.013±0.002 0.016±0.001
NIST 1547 0.026±0.003 0.027±0.001

*1 3回繰り返し分析における平均値±標準偏差


次に、市販の医薬品(軟膏)とサプリメント(錠剤)中のカドミウムを分析した結果を表2に示します。結果は、いずれもICP-MSの定量下限値以下であることが確認できました。

表2:カドミウム定量例 (単位:µg/g)
試料名 定量値*2
医薬品A(軟膏) <0.01
サプリメントB(錠剤) <0.01
定量下限*3 0.01

*2 3回繰り返し分析における平均値±標準偏差
*3 *2から試験(n=6)の標準偏差の10倍に相当する濃度として見積もった値


今回ご紹介した事例のように、ICP-MSやICP-AESによってµg/g〜ng/gレベルの微量金属元素濃度を調べることができます。

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