S9702
走査型X線光電子分光装置(µ-ESCA(XPS))
1. メーカー・型式
ULVAC-PHI社製 Quantum 2000
2. 原理・特徴
- 試料に一定のエネルギーを持ったX線を照射して光電効果により発生する電子の運動エネルギーを測定することにより、試料表面(〜数十Å)に存在する元素と原子価状態を調べる。
- X線ビームを絞り、走査することにより、最小10μmから500μmまでの領域が分析できる。
- エッチングガンを併用することにより、試料の深さ方向の分析ができる。
- 非破壊で分析できる。
写真:Quantum 2000の外観 | 図:ESCA装置の概略図 |
3. 性能・仕様・付属品
X線源 | モノクロアノード(Al) |
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検出器 | 16チャンネルトロン |
アナライザー | 半球型タイプ |
エネルギー分解能 | Ag3d5/2 FWHM=0.6eV |
マッピング機能 | X線ビームスキャン方式 |
付属品 |
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4. 試料形状・サイズ
固体(70mm×70mm×5mm(t)以下)または粉末
5. 分析依頼の際の留意点
試料の取扱の際、試料表面の汚染に注意して下さい。真空中で揮発する試料は測定できません。
6. 応用分野・分析例
- 半導体、電子材料の微小部分の分析
- セラミックス材料(Si3N4、SiC、シリカ、アルミナなど)の表面状態の解析
- ポリマー材料の表面分析
- 触媒の分析
- 金属材料、電極材料の表面分析
- 薄膜材料の分析