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S521

拡がり抵抗顕微鏡による抵抗分布測定

リチウムイオン電池や太陽電池に代表される電子デバイスに用いられる、各種材料の性能を評価するパラメータの一つに導電性があります。走査型プローブ顕微鏡(SPM)の測定モードの一つである拡がり抵抗顕微鏡(SSRM)は、試料表面をµmからnmスケールという微小領域で拡がり抵抗のマッピング測定が可能です。SSRMは測定可能な抵抗の幅が広く、導体だけでなく半導体の測定も可能であることから、キャリア濃度分布の測定も可能です。さらに他の測定モードと組み合わせ、表面形状や機械特性と併せた、複合的な解析が同時に可能です。

測定例として、Siウエハ表面にカーボン膜を蒸着したサンプルを、SSRMにより測定しました。図1に測定サンプルの表面形状像を示します。右が基板のSiであり、図の左がカーボン蒸着膜です。カーボンの領域は蒸着され高いことが分かります。同じ個所の拡がり抵抗像を図2に示します。界面における拡がり抵抗の差がシャープに認められ、界面の位置が明確に分かります。さらに赤枠箇所の、カーボンとSiの拡がり抵抗の標準偏差はそれぞれ、0.193logΩ及び0.251logΩであり、低いノイズレベルであることが分かります。

このように、SSRMでは局所的な拡がり抵抗の違いを、シャープな拡がり抵抗像としてマッピングすることが可能です。

図1:カーボン蒸着Siウエハの表面形状像

図1:カーボン蒸着Siウエハの表面形状像

図2:カーボン蒸着Siウエハの拡がり抵抗像

図2:カーボン蒸着Siウエハの拡がり抵抗像

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