S512
走査プローブ顕微鏡(SPM)像中の画像抽出による解析
走査プローブ顕微鏡(SPM)は多くの物性をマッピングできる特長があります。そこで画像中の任意の箇所のデータを取り出すことで、複合材料中のそれぞれの成分に注目して、各種物性のデータ解析を行うことを試みました。
図1〜3、表1にPS/LDPE複合材料の測定結果を用いて画像処理を行った例を示します。図1が弾性率像で、PSが明るい部分、LDPEが暗い部分として表示されています。画像処理により、(1)PS及びLDPEの弾性率のヒストグラムによる評価(図2)、(2)PS及びLDPEの弾性率の平均値、中央値、ピーク値による評価(表1)、(3)PS及びLDPEの面積比の評価(表1)、(4)各LDPE領域の平均弾性率による評価(図3)が可能になります。
図1:弾性率像
図2:弾性率のヒストグラム
平均値 | 弾性率 中央値 (MPa) |
ピーク値 | 面積比 | |
---|---|---|---|---|
PS | 4,450 | 4,140 | 4,220 | 83 |
LDPE | 35 | 31 | 32 | 17 |
図3:各LDPE領域の平均弾性率