S501
壊したくない、開けたくない、速く知りたいなら顕微ラマン
顕微ラマン分光分析の特長
- 試料の形状にとらわれず、前処理がほとんど不要で、そのまま測定できる。
- 透明なフィルム・ガラス等の外からでも、中の試料の情報を得ることができる。
- 赤外分光分析よりも、水の影響が少ない。
測定結果
サンプル瓶の中に入った懸濁試料の、ラマンスペクトルを測定した。サンプル瓶を通してレーザを照射し、試料に焦点を合わせることによりスペクトルを得た。下図に、測定結果と、標準スペクトルを示す。試料のラマンスペクトルからは、炭酸カルシウムのピークが検出された(図中下矢印)。また、分散媒である水のピークは3,000〜3,600cm-1付近に検出されたが、試料の同定に影響は無かった。さらに、サンプル瓶由来のガラスのピークは検出されなかった。
このように、顕微ラマン分光分析は、煩雑な前処理をすることなく、未開封・非破壊で、試料を分析することができる重要なツールである。
図:ラマンスペクトル測定結果(赤)と標準スペクトル(緑)