O1804
液体クロマトグラフハイブリッド型質量分析計 (質量分析部:Orbitrap型)
1. 形式
サーモフィッシャーサイエンティフィック製
Q-Exactive Focus™
2. 特徴
- 多成分混合物試料をLCで分離し、それらの各成分について分子量情報を得ることができます。
- 高分解能測定により、組成式を推定することができます。
- フラグメントイオンの解析により、多くの構造情報を得ることができます。
- 高い選択性により共存成分との分離が可能なため、高感度に定量分析ができます。
3. 原理・概略図
液体クロマトグラフによって分離された各成分は、イオン源でイオン化され、四重極MS部を通り、Orbitrap部へ導かれます。Orbitrap部では、イオンは中心電極を周回しながら2つの外部電極間で振動します。イオンの大きさによって異なる周波数で振動することを利用して、それぞれのイオンを分離します。
このOrbitrapは、高い分解能と安定した質量精度を特長としています。また、高速に極性を切り替えることができるため、PosとNegの同時測定も可能です。
図1:装置外観 |
図2:装置構成 ©サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社 |
4. 主な性能
イオン化法 | ESI、APCI |
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質量分解能 | 70,000 |
質量範囲 | m/z 〜3,000 |
その他 | 高分解能測定、MS/MS測定、コロナCAD同時測定 |
5. 測定試料
溶液試料、有機溶媒または水に可溶な固体・液体試料
6. 分析依頼時の留意点
LC移動相に不揮発性の無機塩(Na、K、リン酸など)や腐食性の酸は使用できません。
7. 応用分野と分析例
- 有機材料の分子量決定・構造解析
- 医薬品などの不純物の分子量決定・構造解析
- 有機合成反応液の組成分析
- ペプチドや核酸などの生体関連物質