O1602
Corona荷電化粒子検出器(Corona CAD)
1. メーカー・型式
サーモフィッシャーサイエンティフィック製 Thermo Scientific™ Corona™ Veo™ 荷電化粒子検出器
2. 原理・特徴
カラムで分離した成分を噴霧、微粒子化した後、荷電化します。荷電化した粒子の電流量を測定することで、成分の検出を行います。
Corona検出器は、不揮発性化合物を高感度で再現良く検出できますので、PDA検出器と併せることでほとんど全ての化合物を検出できます。代表的なHPLCの検出器を下記表に記します。
検出器 | 検出可能な化合物、備考 | 検出下限 |
---|---|---|
UV(紫外線分光) PDA(フォトダイオードアレイ) |
UV吸収ある化合物 (C=C、C=O、芳香族) |
数ppm |
RI(示差屈折率) | 全ての化合物 | 数100ppm |
ELSD(蒸発型光散乱) | ほとんどの化合物(常温で気化する化合物は不可) | 数10ppm |
CAD(コロナ荷電化粒子) | ほとんどの化合物(常温で気化する化合物は不可) | 数ppm |
3. 性能・仕様
- サーモフィッシャーサイエンティフィック製 Thermo Scientific™ Dionex™ UltiMate™ 3000に連結
- PDAとの同時測定可能
- データ取り込みレート:100Hz(高速分析対応)
4. 測定試料
- 溶液試料、有機溶媒または水に可溶な固体・液体
5. 分析依頼時の留意点
- HPLC移動相に不揮発性の無機塩(Na、K、リン酸など)や腐食性の酸は使用できません
- 溶媒など易揮発性化合物は検出できません
6. 応用分野
- HPLCで分析可能な化合物、特にUV検出器では検出困難な化合物に有効
- 糖類、有機酸、界面活性剤、水溶性高分子など
写真:装置の概観