O1501
ガスクロマトグラフ四重極飛行時間型質量分析計(GC-Q-TOF/MS)
1. メーカー・型式
Agilent Technologies社製 7200B型
2. 原理・特徴
四重極MSを前段に、TOF-MSを後段に組み合わせたハイブリッド型で、高分解能でMS/MS測定を行うことが可能です。ガスクロマトグラフによって分離された各成分は、イオン源で熱電子によってイオン化され、四重極MS部を通り、TOF-MS部へ導かれます。TOF-MS部では、プッシャー(電極)によってパルス電圧が印加され、イオンはそれぞれの質量数に応じた速度で飛行することになります。イオンは同じ飛行距離を質量数固有の飛行時間で検出器に到達しますので、この時間を観測することにより質量スペクトルを得ることができます。
3. 性能・仕様
イオン化法 | EI、PCI、NCI |
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分解能 | 12,000以上 |
質量精度 | 3ppm以下 |
質量範囲 | m/z 20〜1,050(四重極)、20〜3,000(TOF) |
感度 | EI S/N>2,000 (1pg、オクタフルオロナフタレン) |
その他 | MS/MS測定および高分解能測定が可能 熱分解(熱抽出)GC-MS測定が可能 (フロンティアラボ製 パイロライザー PY-3030D型) |
写真:装置の概観 | 図1:装置(MS)概略図 | |
4. 測定試料
対象試料 | 有機物(液体、固体)および気体 |
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試料量 | 数ml、数mg |
5. 分析依頼時の留意点
- 熱によって分解する試料は測定できません
- 極性が高い成分は、測定が困難な場合があります
6. 応用分野
- 有機材料の分子量決定・構造解析
- 農薬、医薬品等の不純物の分子量決定・構造解析
- 有機合成反応液の組成分析
7. 適用例
農薬混合サンプルの測定を実施しました。ピークAは検索結果からダイアジノンであることがわかります。また、分子イオン(m/z 304)の精密質量誤差は0mDaと高精度でした。
図2:サンプルのTICクロマトグラム
図3:ピークAのマススペクトル(上)と検索結果(下)