O1203
液体クロマトグラフハイブリッド型質量分析計(LC-MS/MS)
1. メーカー・型式
Waters製 SYNAPT G2-S HDMS型(UPLC-四重極-IMS-飛行時間タイプ)
2. 原理・特徴
写真:装置の概観
四重極MSを前段に、TOF-MSを後段に組み合わせたハイブリッド型で、高分解能でMS/MS測定を行うことが可能です。液体クロマトグラフ(UPLC)によって分離された各成分は、イオン源でイオン化され、四重極MS部を通り、TOF-MS部へ導かれます。TOF-MS部では、プッシャー(電極)によってパルス電圧が印加され、イオンはそれぞれの質量数に応じた速度で飛行することになります。イオンは同じ飛行距離を質量数固有の飛行時間で検出器に到達しますので、この時間を観測することにより質量スペクトルを得ることができます。SYNAPT G2-S HDMSでは、四重極MSと高分解能TOF-MSの間にIMS(Ion Mobility Spectrometry)を搭載することにより、同重体イオン(m/z が同一のイオン)の分離・分析が可能となっています。
3. 性能 他
イオン化法 | ESI、APCI、APPI、ASAP(直接導入) |
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分解能 | 40,000以上 |
質量範囲 | 〜約20,000(高分解能 〜約4,000) |
MS/MS測定・高分解能測定・イオンモビリティ機能
4. 測定試料
溶液試料、有機溶媒または水に可溶な固体・液体試料
5. 分析上の留意点
- LC溶離液に非揮発性の無機塩(Na、K、リン酸等)や腐食性の酸は使用できません。
- 溶離液が水のみの場合、イオン化されません。(測定は可)
6. 応用分野・分析例
- 有機材料の分子量決定・構造解析
- 農薬、医薬品等の不純物の分子量決定・構造解析
- 有機合成反応液の組成分析
図:SYNAPT G2-S