M1302
走査型電子顕微鏡(SEM)
Scanning Electron Microscope
1. 特徴
高性能電子光学系と各種検出器の組み合わせにより、高分解能での表面構造の観察、EDS(エネルギー分散型X線分光)組成分析、EBSD(電子後方散乱回折)結晶方位解析が可能です。
2. 原理、概念図
図1:概念図
- 0.01〜30kVで加速された電子を細く絞り、試料上を走査し、試料から発生する二次電子や反射電子を検出することにより、SEM像の観察を行います。
- 試料から発生する特性X線を検出することにより、組成(B〜U)とその分布を調べます。
- 試料から発生する反射電子回折パターンを解析することにより、結晶方位とその分布を調べます。
3. 性能と仕様
型式 | 日本電子製 JSM-7800F |
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加速電圧 | 0.01〜30kV 分解能0.8nm(15kV)、1.2nm(1kV) |
付属装置 | 二次電子、反射電子、EDS、EBSD各検出器、大気遮断試料交換室 |
4. 試料の形状、サイズ
- 形状:外径100mmφ以内、高さ23mm以内
- 加工:機械研磨、ミクロトーム法、CP法、FIB法
5. 分析依頼時の留意点
真空中で電子を照射します。その条件下で試料が安定である必要があります。試料作製時に、水・有機溶媒や各種樹脂等を使用するため、耐熱性、吸湿性、耐薬品性等の情報が必要です。
6. 測定データ例
図2:二次電子像 試料:ゼオライト | 図3:二次電子像 試料:Ni2O3粒子 | |
図4:反射電子像 試料:真鍮腐食部 | 図5:EDSマップ 試料:真鍮腐食部 | |
図6:結晶方位マップと代表的な粒子の格子モデル 試料:Au |
7.適用例
- 半導体デバイスなど各種材料の断面観察
- 金属、半導体などの結晶方位、粒界の解析
- EDSによる異物の組成解析
- FIB-SEMによる断面観察後の任意箇所のFIB-TEM解析