M1101
Cs(球面収差)補正(STEM)
1. メーカー・型式
日本電子製 JEM-2100F
2. 原理・特徴
- 電子プローブを形成するレンズの球面収差を補正することにより、非常に細く(0.1nm)かつ電流量が多い電子プローブが得られます。このプローブを用いることにより、高分解能でS/Nが高いデータを得ることができます。
- 明視野および暗視野STEM像を測定することにより、試料の組織、組成分布、原子列の並びを調べられます。
- 試料から発生する特性X線を検出することにより、0.2nm以下の分解能で組成(C〜U)とその分布を調べられます。
- 試料との相互作用で失われた電子のエネルギーを調べることにより、軽元素(Li〜)を含む定性分析や、化学状態を調べられます。
(a)光路図 (b)ビーム強度 (c)STEM像 |
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図1:Cs補正STEMと従来STEMの比較 |
3. 性能
TEM点分解能 | 0.19nm |
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STEM分解能 | 0.10nm |
(a)HAADF-STEM像 (b)ABF-STEM像と単位格子モデル (c)EELSマップ(Sr-M) (d)EELSマップ(O-K) (e)EELSマップ(Ti-L) |
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図2:Cs補正STEMの分析例(試料:SrTiO3) |
4. 応用分野・分析例
- 半導体材料の各種界面の解析
- 金属・セラミックス材料の粒界の解析
- 触媒粒子の組成分析