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I377

イオンクロマトグラフ-質量分析計(IC-MS)(陽イオン分析システム)

1. 装置名

サーモフィッシャーサイエンティフィック製 ICS-6000型 + ISQ EC型

2. 原理および特徴

イオン交換樹脂を充填したカラム中で、溶液中のイオン成分をイオン半径や価数などの違いにより分離します。カラムから溶出してきたイオン成分は、電気伝導度検出器と質量分析計で順次検出されます。溶出成分の保持時間や質量数(m/z)で定性分析を行い、検出した強度により定量分析を行います。特に質量分析計は、不明成分の同定や、マトリックスを多く含む試料の分析に有効です。

図1:装置写真

図1:装置写真

図2:装置概略図

図2:装置概略図

3. 主な性能、仕様、付属品

  1. グラジエント機能で、多成分の一斉分析が可能です。
  2. 電気伝導度検出器と質量分析計の測定が可能です。
  3. 電気伝導度検出器では分離が不十分で解析が困難なイオン成分について、質量分析計による測定でより詳しい解析ができます。
  4. 高感度で再現性が良好です。

4. 分析例

IC-MSによるアミン類の分析例を以下に示します。電気伝導度検出器では一部のアミン類が重なって検出されていますが、質量分析計では分離されて検出できました。

図:アミン類のクロマトグラム
図:アミン類のクロマトグラム

図:アミン類のクロマトグラム

5. 適用試料

  1. 薬品、試薬の組成分析
  2. 電子、半導体材料や化学、石油材料中の不純物分析
  3. 河川水、工業用水の分析
  4. 気体中のアンモニア、アミン類の微量分析

6. 試料取り扱い時の注意点

  1. 試料を素手で取り扱わないで下さい。
  2. 試料を入れる容器は、予め洗浄して汚染がないようにして下さい。
  3. 試料の保管はできるだけ冷暗所でお願いします。
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