C1001
核磁気共鳴装置(溶液・固体NMR)400MHz
1. 型式
日本電子製 ECA400型 FT-NMR装置
2. 概要
水素や炭素等の原子核は小さい磁石の性質(スピン)を有しており、静磁場下に置かれるとこまの首振り運動と似た現象(歳差運動)がおこります。この歳差運動の周期と同じ電磁波を外部から加えると共鳴がおきます。この共鳴現象を核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance、略してNMR)と呼んでいます。
NMRでは得られたスペクトルを解析することで、化合物全般の分子構造・組成分析等が可能です。また、分子の拡散係数を測定する目的で、高出力磁場勾配電源と拡散プローブを導入しました。12T/m以上の勾配磁場出力が可能で、拡散係数の小さい試料(ポリマー等)や磁気回転比の大きくない核種(リチウム等)の拡散係数を求めることができます。
3. 性能、仕様
磁場強度 | 9.2T(1H/400MHz) | |
---|---|---|
溶液 プローブ |
試料管外径 | 5mm |
観測核 | 39K, 105Ag, 15N〜31P, 19F, 1H | |
温度可変範囲 | -100℃〜+150℃ | |
拡散 プローブ |
試料管外径 | 5mm |
観測核 | 15N, 17O〜31P, 19F, 1H | |
温度可変範囲 | -70℃〜+120℃ | |
固体 プローブ |
試料管外径 | 4mm |
観測核 | 1H, 31P, 7Li, 11B, 23Na, 27Al, 13C, 79Br, 29Si, 2H, 15N | |
温度可変範囲 | 室温〜+80℃ | |
最大MAS速度 | 19kHz |
4. 応用分野、分析例
- 有機化合物の構造解析
- ポリマーの組成分析(立体規則性、組成比、末端基、結晶・非晶構造等)
- Li電池関連の組成分析、電解液の拡散
- 各種酸化物の配位数決定
- ポリマーのダイナミクス評価