C019
遮蔽率の測定
1.遮蔽(しゃへい)率とは
遮蔽率とは、ある波長の光が物体を透過した時、どれだけ遮蔽されているかを示す割合です。例えば、フィルムは、耐紫外線加工をすることで未加工品よりも紫外線の遮蔽率は高くなります(透過率は低くなります)。
フィルム、布、化粧品等、各種材料による遮蔽率は、分光光度計に積分球を取り付けた装置で、その材料の透過率を測定し、以下のように変換する事で評価することが出来ます。さらに、特定波長領域の平均遮蔽率を求めることができます。
透過率(%)=(透過光/入射光)× 100
遮蔽率(%)= 100 - 透過率(%)
2.遮蔽率の測定例
積分球を取り付けた分光光度計を用い、無色透明、赤色、青色のクリアファイルの遮蔽率を測定しました。
図に各クリアファイルの遮蔽率の波長依存性を示します。クリアファイルの色が異なると、波長領域によって遮蔽率が大きく違うことが分かります。表に特定波長領域の平均遮蔽率をまとめました。
図:クリアファイルの遮蔽率の波長依存性
クリアファイル | 紫外 200〜400nm |
可視(紫〜黄) 400〜600nm |
可視(橙〜赤) 600〜800nm |
近赤外 800〜1000nm |
---|---|---|---|---|
無色透明 | 31 | 10 | 9 | 9 |
赤色 | 41 | 23 | 17 | 10 |
青色 | 48 | 13 | 21 | 10 |
無色透明に比べ着色ファイルは全領域で高い遮蔽率を示しました。さらに、赤色ファイルは可視(紫〜黄)領域が遮蔽されることで赤色に見え、青色ファイルは可視(橙〜赤)領域が遮蔽されることで青色に見えていることが、各領域の遮蔽率から分かります。
このように、積分球を取り付けた分光光度計を用いることにより、波長領域ごとの遮蔽率を知ることができます。
当社では、各種材料について、積分球を取り付けた分光光度計による遮蔽率測定を行っております。