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C015

分光光度計による単層膜の膜厚測定

1. 分光光度計干渉膜厚法について

透明で平滑な金属保護膜、薄いフィルム、半導体デバイス、電極用導電性薄膜等の単層膜の厚みは、分光光度計を用いることで容易に計測ができます。単層膜の膜厚は、膜物質の屈折率と干渉スペクトルのピークと谷の波長、波数間隔から次式により求めることができます。

電極用導電性薄膜等の単層膜の厚みを求める式

d:膜厚、n:屈折率、φ:試料への入射角度、P:計算波長範囲の干渉波の数
λ1とλ2:計算波長範囲の始点と終点の波長

2. 反射測定による膜厚測定

鋼板上に膜厚既知(13μm)のポリエチレン製ラップフィルムを張り付けた試料について反射測定を行いました(図1)。干渉スペクトルからラップフィルの厚みを計測すると12.7μmという結果が得られ、既知の値と良い一致を示しました。

図1:鋼板上のポリエチレン製ラップフィルムの干渉スペクトル

図1: 鋼板上のポリエチレン製ラップフィルムの干渉スペクトル

鋼板上の膜など基板が不透明な場合は反射測定により、透明な基板上の膜や膜単体フィルムの場合は透過率測定により、膜厚が計測できます。光線の波長により計測可能な膜厚が異なります。可視光領域では数0.1μmから数μm、近赤外光領域では数μmから100μm近くまでが計測可能です。

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