C014
紫外(UV)、可視(Vis)、近赤外(NIR)分光光度計積分球付属装置によるプラスチックのヘーズ率測定
1. ヘーズ率(曇り度、濁度)について
ヘーズ率は、JIS規格であり材料の曇りおよび濁りといった透明性に関する指標です。拡散透過率の全光線透過率に対する割合がヘーズ(曇り度、濁度)率として求められ、曇りや濁りの強い材料ほどヘーズ率の値は大きくなります。
2. UV、Vis、NIR分光光度計積分球付属装置によるプラスチックのヘーズ測定
透明性が良いとされる非晶性樹脂指であるポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)および透明性が悪いとされる結晶性樹脂であるポリプロピレン(PP)の板(厚み2mm)について、UV、Vis、NIR分光光度計積分球付属装置によるヘーズ率測定を行いました。式1より求めたヘーズ率スペクトルを図1に示しました。
図1: 各試料板のヘーズ率スペクトル
PMMA板およびPC板のヘーズ率スペクトルは、400〜1,100nm (可視、近赤外領域)の範囲で1%以下と低い値を示すことから広い波長領域において曇り、濁りの無い、透明性の高い材料であると推定されました(200〜380nm付近のヘーズ率スペクトルは、試料の強い吸収ピークの影響を受け正常な値を測定出来ていません)。
PP板のヘーズ率スペクトルは、310〜1,100nmの範囲で99〜34%と徐々に高い値から低い値に変化していることから、低波数側になるほど曇り、濁りが強く透明性が悪くなり、さらにヘーズ率が100%に近い400nm付近では透明性が非常に悪いことが推定されました(200〜310nm付近のヘーズ率スペクトルは、試料の強い吸収ピークの影響を受け正常な値を測定は出ていません)。