C012
分光光度計絶対反射率測定ユニットによる正反射(鏡面反射)測定
1. スマートフォン(スマホ)用の反射防止フィルム
スマホ等の滑らかな艶のある液晶画面は、明るい屋外や蛍光灯の下では正反射光により蛍光灯の映り込みが生じ画面が図1の様に見にくくなることがあります。
反射防止フィルムは、図2、3に示すようにフィルム表面に凹凸加工を施し、正反射光を拡散させることで太陽光や蛍光灯などの画面への映り込み、ギラつき、反射を抑えます(アンチグレア、ノングレア)。
図1:液晶画面への蛍光の映り込み | 図2:反射防止フィルム無し | 図3:反射防止フィルム有り |
2. 分光光度計絶対反射率ユニットによる正反射(鏡面反射)測定
正反射光の影響でおこる液晶画面、パネルの映り込み、ギラつき、反射の評価には、指定角度に試料を回転させて正反射率スペクトルの測定できる分光光度計絶対反射率測定ユニットが最適です。
図4:絶対反射率測定ユニットの測定概略
反射防止フィルム無し、有りのスマホを分光光度計絶対反射率測定ユニットに取り付け、入射角度10度、65度、85度、波長測定範囲250〜2,000
nm(紫外、ブルーライト、可視、近赤外線領域)での正反射率の測定を行いました。
図5に示した正反射率スペクトルは、反射防止フィルム有りの正反射率が無しに比較して全波長領域において小さく、入射角度が大きくなるにつれてその差は広がること分かりました。
図5:スマホ用の反射防止フィルム無し、有りの正反射率スペクトル測定結果