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濃硫酸の純度分析
ポリアミドの粘度数や相対粘度の測定は、硫酸を溶媒に用いた溶液粘度の測定となります。使用する硫酸は規格(JIS K 6933、JIS K 6920-2)で96%や98%の純度のものを用いることになっていますが、市販される濃硫酸の濃度は95〜98%とされており、濃度の定量と適切な濃度への調製が必要です。
以下に、硫酸の純度分析について説明します。
本項では、市販の濃硫酸を用い、中和滴定法(JIS K 8951:2006)と、カールフィッシャー水分計による方法を比較しました。
JIS K 8951:2006では、ブロムチモールブルーを指示薬に用いていますが、電位差滴定により分析した結果を示します。
カールフィッシャー水分計は、水と特異的に反応して水分量を測定することから、試料中の水分率をカールフィッシャー水分計で測定し、残りの成分を全て硫酸として純度を算出します。
1. 測定手順
(1)中和滴定
- 100mlビーカーに硫酸1gを0.0001mgの桁まで正確に量り取ります。
- ビーカーを冷やしながら、純水40mlを加えます。
- pHメーターを用い、1mol/lの水酸化ナトリウム標準液で滴定します。
(2)カールフィッシャー法(容量滴定法)
- 滴定フラスコに酸性サンプル用のpH調整試薬を入れます。
- 予備滴定を行って、滴定フラスコ内を無水状態にします。
- 硫酸を加えて測定を始め、得られた水分率から硫酸純度を算出します 。
2. 結果
表に測定結果を示します。中和滴定とカールフィッシャー法で概ね同等の値が得られています。測定回数を増やすことで、精度の高い分析が可能です。
中和滴定 | カールフィッシャー法 | |||
---|---|---|---|---|
測定回数 | 純度(%) | 測定回数 | 純度(%) | |
濃硫酸1 | 1 | 95.59 | 1 | 95.71 |
2 | 95.71 | 2 | 95.65 | |
3 | 95.78 | 3 | 95.83 | |
平均値 95.7 | 平均値 95.7 | |||
濃硫酸2 | 1 | 97.72 | 1 | 97.38 |
2 | 97.81 | 2 | 97.27 | |
3 | 97.97 | 3 | 97.47 | |
平均値 97.8 | 平均値 97.4 |