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TMAを用いた氷の融点および線膨張係数の測定
TMA(熱機械分析)では凝固した液体試料の膨張/収縮や融点などの評価ができます。その一例として、水系の試料を用いて
-50℃まで冷却し、凝固した後に加熱昇温して試料の変位量を検出し、融点および線膨張係数を測定した事例を紹介します。
図にTMAの測定結果を示します。純水を凝固させた試料の融点は0℃で確認され、-15℃〜-10℃での線膨張係数は5.4×10-5/Kとなりました。
次に塩水を凝固させた試料では、凝固点降下の影響で融点が-18℃に確認されました。また0℃付近にも融点が認められました。融点が2段階に分かれた理由として、塩水が凝固する時に生じた塩の濃度差が影響していると推測されます。
このようにTMAは、固体試料以外にも液体試料の物性評価が可能です。
図:氷の融点および線膨張係数の測定結果